横浜で刑事として働く岡田武雄（48）には女子高生の娘・美織（17）がいた。 
武雄は何よりも美織を想って生活しているが、思春期の娘と良好な関係を築くのは、

そう簡単ではなかった。 
一方美織には会いたい人物がいた。実の父親で武雄の兄・克也（52）である。 
美織にとって武雄は育ての親であったのだ。 
克也とは、もう何年も会っていない為、姿すら覚えていない美織の中で、

実の父親の幻想は大きくなっていた。 
美織の実の父親である克也は中古車販売店で働いていた。 
克也は美織がまだ幼い頃に傷害致死罪で捕まり最近になって服役を終えるが、 
前科者として肩身の狭い生活を送っている。 
唯一の生きがいは、また娘の美織に会いたいという想いだけであった。
お互いにとって今再会することが良いことだと思わなかったからだ。
しかし、それぞれの思いは複雑に絡み合い交差し、思いがけない再会から結末へと

加速していく。
実の親か育ての親か。 娘を取り巻く父たちの愛が引き寄せた顛末とは…